
政務活動費とは
政務活動費は、議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、 議会の会派または議員に交付されるお金です(地方自治法100条14項)。 議員報酬とは別に、活動のための費用として支給されます。
条文でいちばん重要なのは、次の一点です。交付するかどうかも、いくらにするかも、何に使えるかも、すべて条例で定めなければならない—— つまり、この制度の中身を決めているのは議会自身です。
条文が定めていること
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 14項 | 条例の定めるところにより、議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、 会派または議員に政務活動費を交付できる。交付の対象・額・交付の方法・充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない |
| 15項 | 交付を受けた会派または議員は、条例の定めるところにより、収入および支出の状況を書面または電磁的記録で議長に報告する |
| 16項 | 議長は、政務活動費について使途の透明性の確保に努める |
法律が決めているのはここまでです。金額も、使える範囲も、報告の細かさも、法律には書かれていません。それらはすべて、その市の条例——すなわち議会が議決したルール——に委ねられています。
「百条委員会」と同じ条文にある
意外に知られていませんが、政務活動費を定めるこの14項〜16項は、百条委員会の根拠である地方自治法100条の一部です。 1項が議会に強力な調査権を与え、14項がその議員たちに活動のためのお金を交付する。 同じ条文の中に、議会の権限と、議員に渡される費用が並んでいます。
調べる力を持たせるための費用が、その力を使う側に渡される。 この構造上、使い道を確かめる仕組みをどう設計するかも、やはり議会が決めることになります。
市民はどこで確かめられるか
15項により、交付を受けた会派・議員は収支の状況を議長に報告します。 この報告書の公開のしかたは自治体によって異なり、次のいずれかが一般的です。
- 市議会のウェブサイトで公表されている
- 議会事務局で閲覧できる
- 情報公開請求によって開示を受ける
領収書まで公開しているか、支出の内訳をどこまで細かく出すかも、条例と運用しだいです。 お住まいの市でどうなっているかは、市議会の公式サイトか議会事務局でご確認ください。
金額の多い少ないでは何も分からない
政務活動費は自治体ごとに大きく異なりますが、本サイトは自治体間の金額比較や順位付けを行いません。
金額は市の規模・議員定数・条例の設計によって決まるもので、 額の大小がそのまま活動の熱心さや適切さを表すわけではないためです。 少ない額でも報告が不透明なことはあり、多い額でも使途がすべて公開されていることもあります。見るべきなのは額ではなく、確かめられる状態になっているかどうかだと考えます。
この制度を変えられるのは誰か
政務活動費の額・使える範囲・報告の厳しさ・領収書の公開範囲—— これらを定める条例を改正できるのは、議会だけです。
より厳しい条例にすることも、緩めることも、そもそも交付をやめることも、議決によって決まります。 その議決を行う議員の構成を決めるのが、市議会議員選挙です。
出典
- 地方自治法第100条(e-Gov法令検索)— 条文確認日: 2026-07-29